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文化部会・1頁 


朗読会の写真

 今回の参加者は90名でした。
 この夜の青木さんの衣装は、「銀河鉄道の夜」にあわせて、ブルーのすてきなコスチュームでした。

参加者の感想

銀河鉄道に乗って


 暗幕に囲まれた上田情報ライブラリーの“言葉の繭ホール”で、スポットライトに照らし出されたテーブルに座った青木裕子さんは、おもむろに本を開きました。
 シーンと静まり返る開場で、一点に視線が集中すると朗読が始まり、宇宙への切符を手にした私は、ジョバンニとカムパネルラと共に銀河鉄道の旅へと誘(いざな)われました。
 8月7日、七夕の夜でした。
 宮沢賢治が描いた世界は、坂本さんの作り出す照明や音楽と青木さんの朗読を通して息を吹き込まれ動き出し、私自身が作り上げていた世界と引き合ったり離れたりしながら進み、場面によっては青木さんの手や上半身が大きく揺れたり、流れるようなリズムを取りながら物語を終盤へと走らせてくれました。
 青木さんから出される声は、登場人物に合わせて魔法を見せてくれているかのように自由自在に変化して、私の乏しい想像の世界をより一層リアルに描き出してくれました。
 パッと明かりが部屋中に点き拍手が起こると、青木さんは開いていた本を静かに閉じました。
 今回初体験だった「朗読」の世界。異次元空間を垣間見せて貰ったような、けれどもそれは、遠い記憶の奥底に眠っていた、少しくすぐったくもあり、甘く懐かしい匂いもする、心地よい安堵感をもたらしてくれました。 何だか癖になりそうです。
 読書をするだけでは味わうことの出来なかった世界を覗かせ下さった 青木さん、有り難うございました。またお会いできる日を楽しみにしています。         

 Y・K

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