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文化部会・13頁   

 

11月19日(土)

岩崎信子 朗読会

堀辰雄作「曠野」
新田潤作「煙管」

朗読する岩崎信子さん

忘れぬる君はなかなか
つらからで
いままで生ける
身をぞ恨むる

拾遺集   
「曠野」冒頭より

写真は朗読する岩崎信子さん

写真はコカリナ演奏の西井つさん コカリナ演奏の西井つさん

 

感想文:

 今回の朗読会は、長年SBCでアナウンサーをして いらした岩崎信子さんが始めて繭ホールに登場 されました。
 多くの方がラジオからその声を聞いた記憶があると思いますが、私もその一人で、久しぶりでしたが ずつと変わっていないことを実感しました。
 堀辰雄の「曠野」からは、主人公の哀れさと 一途さがひしひしと伝わって、心が痛みました。
 朗読会ではいつも感じるのですが、自分で読むより その場面を見ているような、特に昔の男が主人公 を訪ねて来るくだりでは、荒れ果てた小さな住まい の中でひっそりと息を潜めている様がありありと浮かんで来て、どうなることかとどきどきしました。
 岩崎さんの語りは、やさしさと、柔らかさの中に凛とした響きが感じられてとても印象深く、余韻がいつまでも残って、ときどき思い出されます。

 また、朗読の合間に行われた西さんのコカリナ演奏は 曲に合わせて大きさと音の違いが有り、 それぞれに優しく、透き通ったような響きが 素敵で心洗われた時でした。

 またの機会を楽しみに、素晴らしいひとときを ありがとうございました。 
                                 

  M・Y

 

岩崎信子さん プロフィール

東京に生まれ、八ヶ岳の麓で育つ。1959年に信越放送入社。アナウンサーとしてテレビ草創期の「日曜教室」やラジオ生番組「暮らしのターミナル」などを担当する。その後上田放送局に移り、地域に根ざして番組作りをめざす。
「カクテルトークかるいさわいろ」は20年の長寿番組。
賞:ラジオスペシャル「老いは道ずれ」「街に出ようキュリー」など民放祭番組コンクール優秀賞受賞、他にアノンシスト賞。
2000年退職。同年、有限会社遊話舎を立ち上げる。
「遊話舎サロン」をはじめ、多岐にわたる集い、講座などを開き、”話す・読む”に主軸をおきながら、加齢者もいきいきと活動できる学び合いをすすめている。
5周年の今年は「野ばらの匂う家---チェロと朗読・お話のティータイム」「戦後60年 いまを生きる〜もろさわようこさんを迎えて」等開催。
また子育ての最中には、学童保育『太郎の家』の創設にかかわる。
上田市図書館 音訳ボランティアグループ「つくしの会」の講師をつとめる。

 

 

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