【1】業務受託決議--------------------

 

上田情報ライブラリーにおける
市民協働による運営の推進とサービス部門の業務受託に関する決議

 

NPO法人上田図書館倶楽部は、上田情報ライブラリーにおける3年間の活動実績と経験に基づいて、市民協働による運営をさらに前進させ地域に根ざした図書館づくりを推進するために、法人認可を契機として、上田情報ライブラリーにおける図書館業務のうちサービス部門について受託業務の拡大を図ります。


NPO法人上田図書館倶楽部は、「市民協働のまちづくりの推進」という上田市の基本理念に基づき、市民が図書館運営に参画し官民が協働して「地域に根ざした図書館づくり」を実践し成果を上げております。

 NPO法人上田図書館倶楽部は、市民協働の図書館づくりをさらに前進させるとともに、地域に根ざした「生活や仕事、地域を支える情報拠点」、「地域住民の学習拠点」、「地域を発掘し耕す文化の創造と発信拠点」として図書館を発展させ、継続性のある質の高い図書館サービスを実現したいと思います。

 そのためには何よりも「専門的職員集団の形成」が重要であり、「市民の能力と経験を活かし、地域に根ざした図書館サービス」を実現することが必要です。

「専門的職員集団の形成」については、
司書・サーチャー等の有資格者を公募するとともに、その能力と意欲を十分に発揮できる環境を整え、研修を重視し、市民の図書館活動と連携した質の高い図書館サービスを継続的に提供できる体制を整備します。

「市民の能力と経験を活かした図書館サービスの実現」については、
市民が図書館活動に参画する受け皿としての役割をNPO法人上田図書館倶楽部が果たすことによって、市民の豊かな経験、知識、技能等、市民の能力とやる気を図書館サービスに活かすとともに、市民に開かれた市民参加型の図書館づくりを推進します。

さらに、図書館に係わる地域の人材育成を積極的に推進し、地域の大学や行政機関、民間団体と連携した図書館づくりを進めます。

 NPO法人上田図書館倶楽部は、上田情報ライブラリーにおける図書館業務のうちサービス部門全般について受託業務の拡大を図り、上田市の基本理念である市民協働のまちづくりを実践し、「地域住民による、地域に根ざした図書館づくり」をさらに推し進め、以って、地域文化の創造と発展に寄与するものです。

以上のとおり決議する。
平成19年4月15日

 

【2】図書館懇話会開催--------------------

平成19年

~上田図書館懇話会、学習会の記録~

この懇話会・学習会は、上田図書館倶楽部会員はもとより、関心のある市民に公開して行われました。

 

618日(月)  第1回図書館懇話会

  1時30分から4時30分  上田情報ライブラリー セミナールーム  参加者18名

1 新上田市の図書館構想・計画について     

説明   中島上田市生涯学習課長

社会教育委員会中間報告により、上田市の図書館の施設整備計画、サービス計画等について説明

2 「市民参加による市民のための図書館」実現のための、情報ライブラリーにおける図書館サービス部門の受託に関する提案について

   提案書案説明    西入幸代  図書館倶楽部

3 討議

6月25日((月)   学習会&懇談会

  1時30分から4時     上田情報ライブラリー5階会議室    参加者22名

 主催 長野県図書館協会 NPO法人上田図書館倶楽部

 後援 上田市教育委員会

1 基調講演

(1) 「憲法と住民と図書館」

   講師 手塚英男  松本大学講師 元松本市立中央図書館長

戦前の教育戦後の教育、日本国憲法と図書館、住民と職員は憲法を大事にしてきたか、改めて図書館の使命・仕事・経営

(2) 「これからの図書館の在り方」

   講師 宮下明彦  長野県図書館協会事務局長

これからの図書館像-地域を支える情報拠点をめざして-概説、これからの図書館像の背景、これからの図書館の在り方

2 懇談

7月2日(月)  第2回図書館懇話会

 1時30分から4時    中央公民館2階会議室   参加者8

1 上田市公の施設に係る指定管理者制度導入の基本的な考え方

      説明   古平上田市体育課長

塩田の郷 マレットゴルフ場を例に指定管理者制度に関する上田市の基本的な考え方、手続き等について説明

2 業務受託か指定管理者か(館長業務問題)

      提案   室賀一範  上田図書館倶楽部

図書館倶楽部が考える管理運営形態---図書館業務、業務ごとの形態、図書館サービスの内容

3 討議

75日(金) 図書館視察    

                        参加者5名

視察先

(1)大田区立図書館 午前11時から12時30分

(2)千代田区立図書館 午後2時30分から4時

 

7月9日(月) 第3回図書館懇話会   

1時30分から4時   上田情報ライブラリー セミナールーム  参加者12

1 図書館視察報告

2 上田市図書館のコンセプト及び主要サービス案

   提案  宮下明彦  上田図書館倶楽部

【上田情報ライブラリー】 

・コンセプトの発展方向------暮らしとビジネス支援から課題解決型図書館へ~生活や仕事に必要な資料・情報を提供する~、千曲川地域文化の創造と発信、市民協働の図書館づくり等

・課題と見直し

・施設・設備の充実

【上田図書館】 

特殊コレクションをベースとしたサービス、郷土資料・地域資料等をベースとしたサービス、絵本・児童図書をベースとしたサービス、参考図書をベースとしたサービス、利用者団体との連携

3 討議

 

7月23日 第4回懇話会

3時から5時   中央公民館2階第2会議室  参加者11名

1  勤務体系  給与体系案について討議

    提案  宮下明彦   室賀一範  上田図書館倶楽部

8月6日 第5回懇話会

1時30分から4時   上田情報ライブラリー セミナールーム   参加者7名

1 教育委員会への提案書案について討議

   提案  宮下明彦   西入幸代  上田図書館倶楽部

 

8月20日 第6回懇話会

1時30分から4時   上田情報ライブラリー セミナールーム   参加者9名

1 教育委員会への提案書案について討議

提案  宮下明彦   西入幸代  上田図書館倶楽部

2 提案書案の今後の取り扱いについて

提案書案は、20日に出された意見を加味修正して、27日に実施する図書館倶楽部の理事会へ諮り、討議を経た後、教育委員会へ提出します。

3 懇話会について

「市民参加による市民のための図書館」を実現するための具体的な青写真作りを目的として、6月18日から6回に渡って実施してきた図書館懇話会は、「教育委員会への提案書案」という形で青写真をまとめましたので、20日をもって一応の予定を終了します。懇話会に参加して、上田市の図書館について一緒にお考え下さったみなさま、ありがとうございました。

 

【3】上田市に提案--------------------

 

平成19年9月6日 上田市長に提案書を提出。
先の教育長につづき上田市長に面談し、上田情報ライブラリーにおける図書館業務の受託に関する提案書について説明をしました。

 

 NPO法人上田図書館倶楽部は、本年4月15日に開催した平成19年度定期総会において、「上田情報ライブラリーにおける市民協働による運営の推進とサービス部門の業務受託について」を決議し、4月23日にその旨を上田市教育委員会に提案しました。

 その後、5月30日の第1回理事会において、提案の青写真作りを進めるため上田図書館懇話会の設置を決めました。
第1回懇話会を6月18日に開催してから8月20日にかけて計6回の懇話会を開催し、会員はじめ広く市民にも参加を呼びかけ、多くの意見を聴取しながら懇話会を開催してきました。
この間7月5日に、東京の千代田図書館及び大田図書館への先進地視察を行いました。

 この度、提案書の成案を得ましたので、8月27日開催の第2回理事会の決定に基づき、上田情報ライブラリーにおける図書館業務の受託について上田市教育委員会へ提案しました。

 提案書 PDFファイル A4版13ページ 115kバイト

 

平成19年8月30日 米津福一NPO法人上田図書館倶楽部理事長から 
森大和上田市教育長へ提案書を手渡しました。

写真

 

 

 

【4】上田市からの回答--------------------

平成20年5月24日

平成20年3月31日 上田市長および上田市教育委員会教育長から,NPO法人上田図書館倶楽部理事長あてに,下記(1)の回答がありました。

この回答に対し,当倶楽部としては,平成20年5月24日に行われた通常総会で,下記(2)の確認をしました。

 

19生涯発第525号
平成20年3月31日

NPO法人上田図書館倶楽部
理事長 米津 福一 様

上田市長 母袋創一

上田市教育委員会教育長 森 大和

上田情報ライブラリーにおける図書館業務の受託について(回答)

 平成19年8月30日付け上田市教育委員会教育長宛,平成19年9月6日付け上田市長宛で提案のありました標記の件につきまして,下記のとおり回答します。

 上田情報ライブラリーにおける図書館業務の委託は当面行わない。

(理由)
上田市では,上田市図書館基本構想に沿い,合併により拡大した市域における充実した図書館サービスの提供のため,(仮)真田図書館の設置,丸子金子図書館の移転新築,武石公民館図書室の図書館分室化を行い,4館2室体制を整備していく計画です。
各施設の内容や運営方法等につきましては,今後詳細に詰めていくこととなりrますが,上田図書館を中心に連携を強化した体制が求められています。そして,この新しい体制の初期段階においては,試行錯誤の繰り返しにより最適な運営体制を確立していく必要があります。
このため,新たな運営体制が確立されるまでの間においては,直営により柔軟な対応をしていくことが適切であると考えており,当面,上田情報ライブラリーの委託は行いません。

 

【5】回答を受けての倶楽部の確認--------------------

市民協働の図書館づくり
~回答後の基本的姿勢の確認と「図書館づくり学習会」の提案

 「上田情報ライブラリーにおける図書館業務の受託について」提案の実現を目指すことを再度確認するとともに、当面、教育委員会と関係住民・上田図書館倶楽部等が一緒になって上田市の「図書館づくり学習会」を継続的に開催することを提案する。

1 提案後から回答までの経過
平成19年8月30日に上田市教育委員会森教育長に、さらに9月6日に母袋上田市長に対して「上田情報ライブラリーにおける図書館業務の受託について」を提案した。
その際、提案内容等について教育委員会と当倶楽部との協議の場を設置するよう要望し、この間そのための日程等を協議してきた。
その経過の中、本年3月31日付けで別紙回答が文書通告されていたものである。

2 住民の力に依拠してより良い図書館をつくる
図書館は誰よりもまず住民のためのものである。上田図書館倶楽部の提案の趣旨は、上田市において市民協働の考え方を基本に、行政と協力連携し、市民の力を最大限に活かしてより良い図書館づくり、図書館サービスの充実、向上を図ろうとするものである。
より良い図書館とは、図書館資料が充実し、図書館システムが十分機能するとともに、最も重要なことは管理運営方法、職員体制のあり方であり、現状を望ましい方向に見直し、改善する必要がある。
上田図書館倶楽部は、昨年提案した専門的職員集団の形成と市民参画による自主事業の展開、市民参画・市民協働の考え方、適切な受託契約が、上田市におけるより良い図書館サービスを実現するものであることを確認する。

3 「図書館づくり学習会」が必要
より良い図書館づくり、つまり地域の生涯学習・教育力を向上させ、住民が必要とする情報を入手でき、文学や芸術を鑑賞し、地域文化の振興を図る図書館の役割、機能、可能性を十分発揮させるためには、まず住民、行政、図書館職員が図書館についての十分な理解、学習をすることが必要であり、平成18年に文部科学省から出された「これからの図書館像」はこの点を強調している。
また、より良い図書館サービスのためには、サービスを提供できる知識、経験、スキルを持った多くの職員・スタッフが必要である。そのために臨時職員を含めた職員、図書館に関心を持つ市民を対象にしたスタッフ養成講座も必要である。
教育委員会が、図書館理解を促進し市民の合意形成を図り人材を養成する場として「図書館づくり学習会」を夏から継続的に開催することを提案する。

 

 

【7】平成22年5月17日 市長懇談会--------------------

(「とーく」4号の記事を転載)


平成22年5月17日、市役所において母袋市長と倶楽部役員等との懇談会が、①上田情報ライブラリーにおける市民協働の推進、②上田情報ライブラリーの設置目的達成 をテーマにして行われました。また、図書館における市民協働の考え方の説明や七年目に入ったNPO上田図書館倶楽部の活動報告、職員の専門性等の現状と問題点、改革・改善の提案等をさせていただきました。

内容は次のとおり。

(1)上田情報ライブラリーのコンセプト達成のために、課題解決支援サービス等専門性の高いサービスの実現を目指すこと、

(2)NPO上田図書館倶楽部がその力を十分発揮できるよう条件整備を図ること、

(3)公募館長制を採用すること、

(4)市民協働をさらに推進すること。

また具体化のために、担当部局と当倶楽部との検討の機会を設けて欲しい等の要望もしました。

母袋市長は、上田情報ライブラリーの開館以来、当倶楽部が行ってきた市民協働の活動と協力に対して感謝するとともに、倶楽部との検討の機会をつくることについて理解を示し、提案公募型民間活力導入制度を年内に発足させたいと話されました。

 

写真

市長懇談会の様子

 

市民協働の考え方

1 図書館は市民が学習と調査研究、情報入手、文学・芸術鑑賞、文化活動や交流の場として活用するところだから、市民は単に貸出の利用者であるだけでなく、これらの参加者、主催者として図書館運営に参画します

2 豊富な経験、知識、技術等と意欲を持つ市民の力を活用し行政とコラボレートする市民協働により、図書館の専門性がアップします。

3 職員の人事異動や変動に影響されずに図書館サービスを持続的に向上させ図書館を発展させるためには、市民をベースとする“図書館を支える仕組み”が必要だと考えます。