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教師になどなりたくなかった

稲垣勇一

★執筆した内容
 仕事篇
初任地の小学校3年間と,初転勤校,中学校3年間の経験を記録。教員生活45年の7分の1の期間。学校づくり,教科づくりには一切ふれていない。教員という仕事のなかで出会った人々=子ども・保護者・教員など=とのかかわりに焦点をしぼった。心に残った人,学んだことを,エッセイ風に書いた。

 詩篇
内容的には,これこそが自分の仕事録である。教員以外からは決して生まれない自分の内面を,詩の形にまとめた。内容に合わせて,形式はいろいろと試みている。けれども一貫して,中学生にはっきりと焦点を向けて,すべてを書いた。その時々の全力も出したつもりである。仕事篇はともかく,この詩篇は読んでほしいと思う。

★執筆した感想
1 この機会がなければ,仕事録の内容にふれることはなかった。教員としての一部が残った。 嘘は書いてないが,読み手に自慢話の匂いが少しでも感じられるとすれば,との思いがこういうものを書くときのいつものためらいである。

 単語さえろくに打てないパソコンを相手に一応の形ができたのは,指導者と係のお陰であり,心からお礼を申し上げる。

 教育活動は,あらゆる意味で「その時・その場」での一回性のものであって,そこを過ぎればほとんど意味を失う。それを改めて感じた。

★今後どのようにしていきたいですか
 絵本・民話に関する文章と詩は,機会があるごとに書きためておきたい。

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空を見たのは

唐澤清江

★執筆した内容
 高校卒業の時,国家公務員四級職に合格していたが,採用通知が来るまでの間の腰掛のつもりで近所の会社に入ったこと。この考えがそもそも自分の進路を狂わすことになった件から書き始めました。

 1年後再受験して,まもなく採用通知は来たが,腰掛のつもりだった会社は辞めさせてくれず,3人目のこどもが生まれるまで18年間勤めました。

 3年後自分の希望ではなく再び働くことになり,会社は替わったが61歳まで仕事をしてきたことをまとめました。と,ひとくちに言っても,こどもを3人生み育てることと並行して仕事をする母親の気持ちを振り返ってみました。

 どんな辛さにも耐えられたのは,仕事の中で出会った人たちの温情に支えられて仕事ができたことと,こどもたち家族の理解があったことなどが,私が元気に働き続けられた大きな要因だったとことに気づきました。

 仕事を続けて一番辛かったこと,それは初めて母になって最初に出勤する朝のことです。表題の「空を見たのは」は,その朝の辛い心境です。

★執筆した感想
 書き終わった時,パールバックの「大地」の主人公の3男がつぶやいた言葉が浮かびました。「娘が生まれた時,美人で,しかも金持ちの家に生まれたことが一番不幸なことだ」と。美人で金持ちの家の娘なら誰でもチヤホヤする・・・。私はその反対です。誰にもチヤホヤされず,なりふりかまわず,働かなければならない。でもこれは過ぎてみれば幸せなことだったと思いました。

★今後どのようにしていきたいですか
 とりあえず今とりかかっているウェーバーの「舞踏への勧誘」のピアノ曲を人前でも弾けるようにする。最近落ち着いて書いていない「源氏物語」の毛筆書きを再開したい。

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市民と協働の図書館 
    上田情報ライブラリー

宮下明彦

★執筆した内容
上田情報ライブラリーは10年余の歳月を経て平成16年4月に開館した。

上田市の図書館長としてまた自ら望んだことではあったが、私は駅前図書館・上田情報ライブラリー建設の提案の段階から決定、準備、開館、運営を軌道に乗せるまで、その全てに関わり推進するという貴重な経験をさせてもらった。

また現在長野県では、合併を機に多くの自治体において図書館建設が検討されており、最近、その2〜3の図書館長から「図書館はどうやって創るのか」という相談を受けた。
図書館の創り方といっても、そこには市民合意の創り方、資料・情報・システムの構築の仕方、職員の確保・養成や管理運営方法等様々な段階があるが、図書館長や関係者に私の上田情報ライブラリー建設の体験を伝えることは意味のあることだと思った。これらが私の執筆の動機である。

内容は、

序章・「駅前図書館への道」は紆余曲折した駅前図書館・仮称情報ライブラリーに至る道程を回顧談を中心に、情景が思い浮かぶよう書こうと努めた。

第2章・「市民合意の創り方」は、駅前図書館建設という市民の潜在的な要望を市民運動を基本に顕在化させた経過を、図書館協議会や文化人、多くの市民・市民団体の支援の賜物として、決定に至るまでの市民合意の形成過程を述べている。

第3章・「図書館の創り方」は、市理事者や行政、議会との関係の中で、資料・情報・システムの構築の仕方、職員の確保・養成や管理運営方法等の創り方について、なるべく関係者に参考になるように記載したつもりである。

第4章・「図書館の運営の仕方」は図書館は誰よりもまず住民のものであるという基本認識に立ち、NPO法人上田図書館倶楽部の成立と展開について紹介するとともに、直営、指定管理者を含めこれからの図書館運営のあり方について、現状と考え方を述べている。

★執筆した感想
 貴重な体験だから記録にまとめるよう先輩から勧められていたが、忙しさに紛れなんとなく機会を逸していた。そこへこの度、「団塊世代の仕事録」の事業に関係することとなり、一念発起し書き始めた。しかし書くということは、構想を練り、記憶をたどり、関係資料を確認し、かつ文章表現することであり遅々として進まなかった。「締め切りがあるから書ける」と聞いたがその通りであった。今は、自分の仕事録として、また自己表現として一つの作品が出来上がることに大きな喜びを感じている。他人に読んでもらいたいという欲も出てきて、少しでも読んでいただければ望外の幸せだ。

★今後どのようにしていきたいですか
 書くこと、表現することの面白さを感じており、別の作品にも挑戦したいと思う。
 また、上田情報ライブラリーに保存して利用してもらうには、少なくとも200〜300冊ほどの集積が必要と思われるので、この事業を5年、10年と継続できるよう期待したい。

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広野の落日

細尾静香

★執筆した内容
 主目的は医薬分業の経緯を記しました。理由は,明治時代以前の日本の医療は先進国に比較して非常におくれておりました。先進国の薬剤師は法的に定められた職業であり,誇りをもってその職責を果たしていましたが,日本では,薬剤師の存在感は非常に薄かったのです。

 在学中諸教授が声を大にして講義された医薬分業が50年を経過した今日実現できたことは大きい喜びです。しかし実現できた一方で,薬業界に再び暗雲が漂い始めています。現実を凝視して欲しいのです。私は警告をならしたい。

 そのほかに,幼児期から定年退職までのエピソードも軽いタッチで記しました。

★執筆した感想
1 人生を回顧できてよかった(自分自身の)

2 資料不足,計画性,文面の構想不足,力不足(知識,洞察力)などを感じました。

★今後どのようにしていきたいですか
1 準備をして別の面で書いてみたいと思います。

2 読書をたくさんして,知識を豊富にしたいと思った。執筆にはそれが大事だと知ったからです。


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