感想文:
今回の朗読会は、長年SBCでアナウンサーをして いらした岩崎信子さんが始めて繭ホールに登場 されました。
多くの方がラジオからその声を聞いた記憶があると思いますが、私もその一人で、久しぶりでしたが ずつと変わっていないことを実感しました。
堀辰雄の「曠野」からは、主人公の哀れさと 一途さがひしひしと伝わって、心が痛みました。
朗読会ではいつも感じるのですが、自分で読むより その場面を見ているような、特に昔の男が主人公 を訪ねて来るくだりでは、荒れ果てた小さな住まい
の中でひっそりと息を潜めている様がありありと浮かんで来て、どうなることかとどきどきしました。
岩崎さんの語りは、やさしさと、柔らかさの中に凛とした響きが感じられてとても印象深く、余韻がいつまでも残って、ときどき思い出されます。
また、朗読の合間に行われた西さんのコカリナ演奏は 曲に合わせて大きさと音の違いが有り、 それぞれに優しく、透き通ったような響きが
素敵で心洗われた時でした。
またの機会を楽しみに、素晴らしいひとときを ありがとうございました。
M・Y |