感想文
先日、ことばの繭ホールへ山田誠浩・朗読への招待を聞きに行きました。
「ことばの繭」この、「ことばの繭」という無限に何かを感じさせる響きが、私は大好きです。
山田誠浩氏は元NHKのアナウンサーをしておられ、今日朗読する窪島誠一郎氏の作品や、氏との関わり合い、NHK長野放送局時代の同僚が見えておられることなどをさらりと話されていました。
山田氏も、同僚の方も「お二人とも、知っているわ」一緒だった友人は呟いていたけれど私は・・・・・・・
灯りが消え、山田誠浩氏の朗読が始まりました。読み物は窪島誠一郎氏の「柘榴と銃」の中から「腐れ胡粉」。朗読が始まる・・・・・・私は目を閉じて暫く聞いっていました。山田氏と窪島文学とが一体となって会場に流れます。「無言館にあの絵はどの辺に飾られていたかしら」ふっと、そんな思いが頭の中をよぎります。絵の前で胸がいっぱいになったことが思い出されます。
私は少し、音訳ボランティアに関わっているので、どうしても自分が読む立場になって聞き入ってしまいます。緩急、息継ぎ、間のとりかた、無理のない声、私は鳥肌の立つような感動を覚えました。「読むってこういう事なんだ」鳥肌の立つ感動なんて可笑しな形容だけれど、本当にそんな思いがしたのです。私は、一緒になって息継ぎをしていました。そうしたら、苦しくなって咳き込んでしまいました。会場にいらっしゃった皆さん、うるさかった咳は私です。ごめんなさい。朗読を聞いた後の充実感。何にも増して良い勉強になったと興奮気味の友人と私でした。
私は、今すぐに、声を出して本を読みたいと思いました。今の山田誠浩氏の朗読を忘れないうちに。外に出ると細かい雨が降っていました。
私は、とても幸せな気分。この素晴らしい時間をくださった皆様方に、心からお礼を申し上げます。有り難うございました。
K・K
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